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三谷 浩
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(8), p.413 - 422, 1976/08
被引用回数:0原子炉の計算において、高次摂動項を求める一般的方法が著者によって展開されたが、高次摂動級数はすべての問題に対して収斂するとは限らない。この問題を数学的に厳密に取り扱うことは非常に困難であるが、ヒルベルト空間の線形作用素に対して展開されたKatoの定理を用いると、一群拡散近似の範囲内で厳密な取り扱いが可能になる。得られた結果は極めて簡潔であり、原子炉系での基本的な量のみを含んでいる。即ち、条件1{2-d||+3||}が満たされる時、摂動級数は収束し、吸収断面積のみが変化する時には、高次摂動法の誤差は(2-d)||/(1-2||/d)で与えられる。ここでdは非摂動系の固有値のレベル間隔、,は核分裂及び吸収断面積が変化した時の一次反応度であり、=+である。原型炉及び1000MWe高速炉に対する数値計算の結果、前者ではほとんどすべての摂動実験に対して級数は収束し、後者については||0.12,||0.09?K/Kで摂動級数が収束することが明らかになった。
井出野 一実
Journal of the Physical Society of Japan, 37(3), p.581 - 590, 1974/03
被引用回数:13中性子共鳴のレベル間隔の間の相関をしらべた。その結果、多くの原子核でレベル間隔の分布に周期的な構造があらわれるのを見出した。これらの周期の中にはいくつか一致するものがみられることと、多くの場合に倍数関係がみられることがわかった。これらの周期性の起源についても議論した。
三谷 浩
JAERI-M 5325, 30 Pages, 1973/07
原子炉の計算において、高次摂動法の性質を具体的に調べるために、一群拡散近似で平板系について、直接高次摂動項を3次まで解析的に求めた。高次反応度は一般に、3個の独立な量、即ち一次反応度、固有値のレベル間隔の逆数及び摂動領域の形状のみに関係する幾何学的函数の積で表わされる。N次反応度は一次反応度のn乗に比例するので、加えた摂動の濃度のn乗に比例する。一次反応度に対する高次反応度の大きさは、n次反応度がレベル間隔の逆数のn-1乗に比例するので、無限媒質における増倍率が1に近くなると、即ち体系の半径が大きくなると、増大する。裸の体系で、吸収断面積のみが変化する摂動が体系全体に一様に加えられた時には、高次反応度は全て零になる。高次反応度に対する解析的表現から、摂動級数の収歛条件が推論されているが、数学的に厳密な取扱い及び数値例については別に報告する予定である。